スズメバチの生態と習性
スズメバチは本来、人間の生活環境には生息せず、人が余り出入りしない山里や生い茂った自然あふれる山間部などに巣を作ると思われていました。しかし、近年は都市部にも多数のスズメバチの巣が発見されることが多くなり、工事作業員や通りすがりの人など大人も子供も巣の存在に気付かずに近づいたため、スズメバチに刺されるという被害が増えています。
日本に生息するスズメバチはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の合計3属16種です。国内では最も危険度の高い野生動物とされ、熊害や毒蛇の咬害よりもスズメバチによる刺害の死亡例の方が遥かに多いようです。
スズメバチの大きな集団では、数百匹の個体数を持ち、女王蜂を中心に営巣しています。女王蜂が産卵し、他の蜂達がエサを与えて育て上げます。産卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫と経由します。スズメバチの食性の基本は、肉食性です。しかし、時期によっては樹液やキノコであったりします。そして他の昆虫なども食用としています。肉食性であるため他の昆虫を噛み砕いてダンゴ状態に丸めて巣に待ちかえります。幼虫の発育のための重要なタンパク源ですね。スズメバチの活動は、春から巣作りと産卵を開始し、個体数を増やしてきます。
秋の行楽シーズン頃から活発になる季節となり、8月〜11月頃になると翌年の女王蜂を生み育てる時期に入ります。この時期に入るとスズメバチ達も非常に神経質になるため被害も増える時期です。丁度、紅葉シーズンなどは観光客が大勢山間部に立ち入るシーズンでもあり、被害に遭いやすく危険です。スズメバチは女王蜂のみが朽木や土中などで越冬し、他のスズメバチはすべて死亡します。
近年は、都市部においてスズメバチに刺される被害が増えていますが、一つは環境汚染による温暖化により気温が上昇していることで住みやすくなったことが挙げられます。二つ目は、森林の伐採や土地開拓により、スズメバチ本来の生息地が減少している可能性も高いようです。三つ目は、人間の飲み残したジュースや食べ物を用意に見つけられるようになったからだといわれています。ジュースなどにはスズメバチが好むとされる成分が含まれ、敏感なスズメバチが住環境を移しやすくなったことが挙げられます。
スズメバチが非常に危険な生き物として指摘されている背景には、蜂の中でももっとも大きく肉食性という性格もありますが、巣に近づくものに対して攻撃をしてくる獰猛(どうもう)性にあります。黒いものや左右に動くものに対してはとても敏感であり、知らずに近づいた方が全国で刺されるという事件を招いています。黒いものに反応する理由には、熊が蜂蜜や幼虫を捕捉することからその習慣があるのでしょう。スズメバチと思われる大きなハチを見つけたら絶対に近づかないようにしなければなりません。また知らずに近づいてしまった場合は、大きな動きや大声を出さないようにして下さい。スズメバチの動きを確認しながら、そっとその場から離れるようにして下さい。
スズメバチの毒針に含まれる毒は、蛇毒の数十倍〜数百倍といわれており、猛獣や蛇毒による被害よりも件数も多く、毎年30〜40人ほどが死亡しています。スズメバチの巣を発見した場合は、安易な行動をせずに早急な巣の撤去、スズメバチの退治と駆除が優先です。
お役立ち リンク